一人暮らしの自炊に必要な、最低限の調理器具とは?

初めての一人暮らしに、「そうだ!この際だから自炊に挑戦してみよう。」そう思う方も多いことでしょう。調理用具をそろえてキッチンペーパーなどの消耗品、食器などを買い揃えていくのは確かに楽しいものです。ところがそこには思わぬ落とし穴が待っています。調理用具と必ずペアで考えるべきなのは、実は保存法です。節約にも役立つ、正しい選び方を知っておきましょう。

基本の調理用具は、たった3つしかない

驚くかもしれませんが、個人的に手鍋2つ、フライパンのたった3つだけで、すべての料理はできます。天ぷら、煮物、炒め物、イタリアン、和食もすべてです。実は料理用具は、工夫の仕方で決まるのです。手鍋が2ついるのは、揚げ物と汁物を同時に作らなければならない場合のためです。
大きさで使い分けると良いですよ。

間違えた選び方は、買ったはいいが、一度も使わない用具を買うことです。家族で住むなら別ですが、一人暮らしの基本的な調理用具は、数が極端に少ない方が、料理しやすいのです。

手鍋は万能調理用具

例えば揚げ物を例にとると、一人暮らしで油を多量に使うと処理に必ず困ります。残り油をとっておく用具を購入しても、古い油を使う機会の方がまずありません。

そこで、1回で使う油の量を、鍋の半分以下にしておき、箸で上手にひっくり返せば、高温に耐える専用鍋はいりません。手鍋で充分対応できます。特にアルミの手鍋は「手打ち」と呼ばれる耐久性の高いものを一つ揃えれば、揚げ物、煮物、汁物はすべてできます。

フライパンは、テフロン加工は寿命が短い

油が少なくて済む、材料がくっつかないのは良いのですが、テフロン加工の寿命は、毎日使っていると最短で1年で使えなくなります。非常にお手入れも面倒で、しかも洗浄に洗剤が必要です。

一方で、鉄製のフライパンは最初に高温で熱し、油をひいてを繰り返して使い始めの処理が面倒ですが、長く使い続けると、少量の油でも材料に馴染んで炒め物では重宝します。10年、20年と使え、しかも調理が終わったら、フライパンを高温で熱し、水をかけて汚れを落として拭くだけの、簡単なお手入れになります。実はフライパンの正しいお手入れは、洗剤を一切使わないのです。

また価格も安いのが良いですよ。

料理に合わせて道具を揃えてはいけない

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菜箸は、普段自分が使う箸を竹か木製にして、少々長めでも代用できます。竹べらはあった方が良いですが、トング、ピーラーなどは、最初に買うべき道具ではありません。

初心者にとって、初めての料理はハードルが高いです。そこで、野菜はカット野菜、調味料は既に調理済みのレトルトを使ったり、出来るだけ、まな板と包丁を使わないところから始めると良いです。

道具をあまりに最初からそろえると、料理を覚える前に道具を揃える、道具を洗うことが嫌になり、やがて自炊をしなくなります。初心者の料理は、材料が既に準備してあるところから始めるのが、鉄則です。切ったり刻んだりは、少なくともこの初心者レベルを超えてからです。

キッチンペーパーは水に濡らしたティッシュで代用でき、使い終わった油は、一人分なら上記の方法を使って揚げ物をした場合、水に濡らした新聞紙を牛乳パックに詰めたり、ポリ袋の中に水にぬれた新聞紙に染み込ませて、きちんと封を閉じれば、燃えるゴミで出すことができます。

実際、料理上手な人ほど、料理用具はあまりたくさん使わないのです。

食器も3つ以外はいらない

フォークの代わりは箸でも代用できます。フルーツを食べたいなら、フルーツナイフは必要ですが、包丁を買うのはまだ初心者では早いです。お椀、お茶碗、皿の3つだけで、洋食から和食まで対応できます。理由は簡単、「おかずは絶対皿にしか盛らない」からです。

スパゲティにお椀はいりませんし、カレーにお茶碗は必要ないでしょう。つまりお皿は万能なのです。大は小を兼ねると、あまり小さいものを選んだりしないようにしてください。最低限の食器は、洗い物の負担を激減させます。

調理に慣れれば、道具を増やす

やはり料理のレパートリーが増えれば、当然野菜を直接買ってきて、やがて包丁とまな板などを買うことがあるでしょう。その頃には、3つの調理用具は、使いこなしている頃です。次に買う調理用具は、実際の料理経験を生かして選べるようになっているはずです。

くれぐれも、料理レパートリーもレシピも知らないのに、道具だけを揃えてはいけません。料理をするのはあなたであり、決して用具は料理を上達させてはくれないことを、覚えておきましょう。