本当にお得?初期費用の安い賃貸物件のメリット・デメリット

引越しをするときに大きな負担になるのが初期費用ですね。初期費用は家賃の6ヶ月分が目安と言われ、数十万円のお金が必要になります。そのためできるだけ初期費用のかからない物件を選びたくなる気持ちわかります。でもちょっと待って下さい。本当に単純に初期費用が安いだけで選んでいいのでしょうか?

安いものにはなんでも理由があります。理由もなく相場よりも安くなるようなことはありえません。初期費用が安い物件にはそれなりの理由があるはずです。その理由を明確にしてメリットとデメリットを天秤にかけて本当にお得かどうかを考えてください。

賃貸物件の初期費用内訳

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初期費用の安さについて考える前に、初期費用について知っておく必要があります。賃貸契約の初期費用の相場についてまとめてみました。

  • 敷金:0円から家賃2ヶ月
  • 礼金:0円から家賃2ヶ月
  • 仲介手数料:家賃0.5ヶ月〜1ヶ月
  • 室内消毒料:20,000円
  • 鍵交換料:10,000円
  • 火災保険料:15,000円
  • 2ヶ月分の前家賃

家賃が60,000円とすると敷金礼金ゼロ、仲介手数料0.5ヶ月の物件の場合は195,000円が初期費用になります。敷金礼金2ヶ月の場合は435,000円と大きな開きが出てしまいます。同じ家賃でも敷金礼金や仲介手数料によって初期費用が変わってくることを知っておきましょう。

初期費用の安くなる理由

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初期費用が安くなるカラクリとしては敷金礼金ゼロが基本になります。その他の費用はどの物件でも必要になるものですから金額が下がったりなくなったりすることはありません。

礼金ゼロになる理由は「人気がない物件」だからです。駅から遠い、築年数が数十年になる、周辺がうるさい。そういう物件はなかなか入居者が現れません。空室にしておくよりは礼金ゼロでも誰かに住んでもらわないと大家さんの収入が途絶えてしまうため、初期費用を下げます。

最近はフリーレントというシステムを導入している不動産屋もあります。これは入居後の1〜3ヶ月程度の範囲で家賃が無料になるシステムです。これも不人気の物件に適用することでなかなか埋まらない部屋を注目してもらうことができます。

敷金がゼロになる物件のほとんどが退室時にクリーニング代を支払う必要があります。敷金はそもそも預け金の役割があり、部屋をキレイに使っていれば全額戻ってくるお金です。ところが敷金ゼロの物件はその預け金がないわけですから、部屋を汚した場合は退室時に追加でお金を払うことになります。

最近では賃貸契約に退室時のクリーニング代について明記しているものもあります。敷金ゼロは間違いなく後から支払うことになるということを覚えておきましょう。

初期費用の安い物件のメリット

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初期費用が安い物件を選ぶメリットはそのままですが「安く」入居できるということです。引越しをしたくても手持ちのまとまったお金がなければ引越しができないわけです。数十万円のお金を用意できないということで引越しを断念することがなくなります。

家賃が高い物件であればあるほど初期費用が高くなりますので、ちょっといい部屋に住みたいと思ったときに初期費用が安い敷金礼金ゼロの物件であれば入居しやすくなります。家賃8万円のマンションであれば初期費用に32万円以上の差がつくこともあります。

数十万円の差はさすがに軽視できないメリットです。特に手持ちのお金がない若い人にとって初期費用が安いことは部屋を決める最大の理由かもしれません。

初期費用の安い物件のデメリット

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敷金礼金ゼロの物件は非常に少ないため、物件選びの条件に最初から「敷金礼金ゼロ」で探すと選択肢が極端に少なくなります。人気の地域や物件は敷金礼金ゼロをアピールしなくても部屋は空き次第すぐ次の居住者が現れます。

敷金礼金ゼロで初期費用が抑えられていると思いきや、実は家賃が高くなっていることが多々あります。不動産屋は初期費用で損をしてもトータルで計算して収益が同じ金額になるように家賃設定を行っています。

退室時のクリーニング代によってトラブルになることもあります。敷金があればそこで精算を行うことができますが、敷金ゼロの物件はその精算ができません。ですので退室時には必ずクリーニング代が発生し、悪徳な業者であればこのクリーニング代で高額な請求をすることがあるのです

敷金がない場合は、滞納も許されなくなります。もちろん滞納そのものはよくないことですが、たまたま口座に残金がなかった場合に、これまでは敷金で仮払扱いにされていたのですが敷金がないために仮払出来ずに強制退室や鍵の付け替えをされることもあります。

まとめ

初期費用が安い物件は「不人気物件」か「トータルの金額は同じ」のどちらかになります。特に退室時のトラブルを避けるために契約時にクリーニング代について明確にしておきましょう。金額が決まっていない場合は敷金の2ヶ月分以上請求されることもあるので注意が必要です。

初期費用が安い理由が人気がないだけであれば、あなたの生活スタイルにマッチしていればそれほど悩む必要はありません。下見をして建物の状態や周辺環境を確認して問題なければお得に引越しをしてください。逆に人気物件であるのに初期費用が安くなる物件は「危険な物件」だと考えてください。

世の中においしい話なんてありません。初期費用が安いことのメリットとデメリットを理解したうえで物件選びをしてください。

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