一人暮らし・結婚・同棲。それぞれの「生活費の違い」を考える。

年の瀬を前にして、不動産会社は来春からの一人暮らしや結婚による転居に向け、慌ただしくなる季節です。

一人暮らしを始めるばかりの方には遠い先の話として聞こえると思いますが、いま結婚後に「財布を一緒にするか」「別々にするか」という議論が流行っています。日本は長く「妻が家計を管理し、夫は小遣い制」という家庭が多かったのですが、最近共働きが増えるにつれ、「別々にする」という家計が猛追しているようです。

一人暮らし・同棲・結婚。それぞれ大きな生活スタイルの変化ですが、「生活費」に関して考察すると、どのような違いが浮き彫りになるのでしょうか。考えてみましょう。

一人暮らしにとっての「生活費」

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まず一人暮らしについて。親の目から離れられる解放感も手伝い、つい財布の紐も緩みがちです。ただ、多くの一人暮らし世帯は収入と支出のバランスが同等の、「自転車操業」をしていることもよく言われます。

一人暮らしは、生きていくうえで必要なお金を、すべて自分で管理しなければなりません。

一人暮らしで支出するお金を、簿記の世界で使う「勘定科目」で見てみると…。

  • 「生きるためのお金」…食費・衣料費・居住費・水道光熱費など
  • 「社会的生活を送るためのお金」…交際費・通信費・旅費交通費など
  • 「人生を豊かにするためのお金」…新聞図書費・遊興費など

人によって価値観は異なるため、「何に支出するのが良くて、何に支出するのが良くない」と定義できるものではないのですが、これを収入でカバーするのはとても大変。
その一方で趣味にかけられるお金が多いのもこの時期の特徴です。

結婚すると生活費はどうなるのか

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結婚すると生活費はどうなるのか。人が1人増えるので2倍になるのでしょうか。もちろんそんなことはありません。先ほどの分類をもとに考えてみましょう。

(1)結婚によって「生きるためのお金」はこう変わる

このなかで結婚によるメリットを一番受けるのはやはり食費です。外食や出来合いの食費は最近低価格化が進んでいるものの、複数分となると自炊より割高です。自炊は時間もかかるため、各家庭にもよりますが、結婚によって生活費を節約するのは、食費がキーポイントです。

居住費や水道光熱費は、共働きだと「夫婦でどちらかが負担」という形式が多いようです。

(2)結婚によって「社会的生活を送るためのお金」はこう変わる

通信費や旅費交通費は会社から支給される場合も多いのですが、やはりポイントは交際費です。会社関係や近所付き合いで最低限の支出は止むを得ないとみるか、節約対象とするか。

これには正解はありません。「金銭感覚のズレ」とならないよう、夫婦でしっかり話し合う必要があるでしょう。ただし、最近は廉価で開催する「ホームパーティ」も増えています。家族付き合いの場合など、和気あいあいとしていていいのかもしれませんね。

(3)結婚によって「人生を豊かにするためのお金」はこう変わる

新聞図書費や遊興費は、家族が増えることによって旅行などのレジャーも増え、増加が見込まれる分野です。大切なのは、旅行など1回分の支出が増える代わりに、「日頃の小さな支出を抑えること」。家計簿などをつけてしっかり管理するようにしましょう。

このように、一人暮らしと結婚は生活費の考え方も大きく変わる一大イベントです。そのあいだに位置する「同棲」はどうでしょうか。

同棲すると生活費はどうなるのか

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一人暮らしと同棲の中間に位置する「同棲」。生活費に当てはめて考えるとどうでしょうか。

同棲は相手の「経済観」を確認する大切な方法です。結婚しても経済感覚の違いから離れてしまう夫婦も多いなか、結婚前に確認できるのはとても大事なプロセスです。同棲にも居住費のみ共有で、あとは一人暮らしの延長の場合と、反対に結婚とほとんど変わらない場合とがあります。

結婚の前提としての同棲なら、やはり経済感覚を試した方がいいと思われます。そのためには、生活費を相手がどのような使い方を考えているのかを生活のなかで確認することが重要ですね。

まとめ

一人暮らし・結婚・同棲。それぞれの「生活費の違い」を考える.というテーマでスポットを当てました。

ただ、最近は「生涯独身」という考え方の方も多く、3つのパターンにとどまらない生活の多様化を実感します。子どもの数によって、かかる生活費や、節約対象になるお金も変わります。

忘れてはいけないのは、どのパターンにしても「収支=支出」ではないこと。

預貯金を積極的に準備することで、万が一の場合のお金になります。特に一人暮らしの場合は、貯金など難しい!と思うでしょうが、不意の病気にリスクが高いのも事実。

それぞれの違いをふまえて、自分にとって最も居心地の良い生活スタイルを見つけましょう。

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